大正時代の古民家
関東大震災の2年後に上棟された、築102年の古民家。
そこには「強く長く住み継げる家を」と願った当時の職人らの工夫が随所に刻まれています。
本プロジェクトは、大正の工法に令和の知恵を掛け合わせる「職人から職人へのバトンタッチ」。
「伝統的でミニマルに。元の姿を残しつつアップデートしたい」というお施主様のご要望をかたちにするべく、
丁寧にリノベーションを進めています。
この記事を書いた人
片山 善晴
京都府拠点の株式会社片山工務店代表取締役/1969年京都生まれ。大阪工業大学建築学科卒業後、ゼネコンにて大規模建築の現場管理、阪神大震災復興を経験。1997年片山工務店入社、2004年より現職。設計・現場管理担当/一級建築施工管理技士、二級建築士、エコハウスマイスター保有/ 「不易流行」を信念に、伝統技術と新技術を融合させ、顧客一人ひとりの夢や想いを形にすることを使命とする。建築を通じた地域社会への貢献を目指す。
目次
先人の木を活かす「根継ぎ」
白アリ被害を受けた柱は、傷んだ部分のみを撤去し元の柱を再利用して継ぎ合わせる「根継ぎ」の技法で修復しています。
一般的には新しい材を用いますが、古民家の風合いを損なわないよう、今回はこの民家の改修過程で撤去した柱を厳選して再利用しました。
古民家の記憶を継承し、100年前の木材を最後まで活かし切る工夫です。

大正の趣と、令和の断熱性能
古材の美しい表情はそのままに、現代の工法で断熱性能を向上。古民家の課題である居住性を改善し、夏も冬も快適に過ごせる空間へと生まれ変わる予定です。
梅が成る庭と縁側の関係
お施主様が愛着を持つ、庭と室内を繋ぐ「縁側」。
たわわに実る梅の木を眺めながら過ごす穏やかな時間という、
この古民家ならではの「内外の豊かな関係性」を大切に生かしながら工事を進めています。
お施主様と職人らの想いを、次の100年へ。建物の声に耳を澄ませ、現代の暮らしに寄り添う家づくり。
完成へ向けて、一つひとつの工程に真摯に向き合っています。