環境共生・エコ

blog
パッシブデザインのデメリットは本当?京都の工務店が本音で語る、後悔しない家づくりの物語 | 環境共生・エコ

パッシブデザインのデメリットは本当?京都の工務店が本音で語る、後悔しない家づくりの物語

パッシブデザインの家づくりを考え始めたものの、ネットで「デメリット」や「後悔」という言葉を目にして、不安な気持ちになっていませんか? 「性能は良さそうだけれど、本当に心地よく暮らせるの?」 「初期費用が高いって、やっぱり本当なのかな…」 たくさんの情報に触れるほど、何が真実かわからなくなってしまいますよね。 近年、性能数値を追い求める家づくりが当たり前になっていますが、実は私たち、そこに静かな警鐘を鳴らしたいのです。 なぜなら、スペックを追い求めるあまり、暮らしの"本質"が見失われ、かえって心と体の健やかさを損なう家になりかねない、と感じているからです。 その問題を乗り越える答えが、太陽や風といった自然の恵みを素直に受け入れる「パッシブデザイン」という考え方。 そして、よく耳にするデメリットは、設計の工夫と正しい知識があれば、その多くが"心地よさ"に変わる可能性を秘めているのです。 むしろ、その先には、今の暮らしが抱える課題を解きほぐし、未来にわたって家族の健康と笑顔を育む、大きな価値が待っています。 この記事では、京都で「本当に心地よい暮らしとは何か」を問い続けてきた私たちが、よくある後悔話やデメリット、そしてそれを上回る本当の価値まで、包み隠さずお話しします。 この記事でわかること パッシブデザインの本当の意味と、その心地よさの秘密 よくある「デメリット」や「後悔」の話の、本当のところ デメリットを上回る、家族の未来を育むパッシブデザインの価値 後悔しないために、本当に信頼できるパートナーと出会う秘訣 そもそも「パッシブデザイン」とは?古くて新しい知恵 「パッシブデザイン」という言葉、少し難しく聞こえるかもしれませんね。 でも、これはとてもシンプルで、古くて新しい知恵なのです。 エアコンや暖房といった特別な機械設備にできるだけ頼るのではなく、建物の工夫、つまり「設計」の力で、太陽の光や熱、頬をなでる自然の風といったエネルギーを最大限にいただき、心地よい室内環境をつくろうとする考え方のこと。 簡単にいうと、「夏は木陰にいるように涼しく、冬は陽だまりの中にいるように暖かい」「窓を開ければ、すーっと風が通り抜けていく」…そんな暮らしを、設計の力で叶える家づくりです。 このように、建物のあり方そのもので、心地よい室内環境をつくりだすための知恵。 それが、パッシブデザインの基本的な考え方です。 パッシブデザインで後悔?よくある失敗談と、その"本当のところ" パッシブデザインの検討を進めていると、必ずといっていいほど耳にするのが、デメリットに関するいくつかの「噂」です。 ここでは、特に多くの方が気にされる4つのポイントについて、それは本当なのか、注意点はどこにあるのかを、専門家の視点で一つひとつ、丁寧にお話ししていきますね。 「初期費用が高くて、コスパが悪い」という話 「パッシブデザインだから高くなる」というのは、少し正確ではないかもしれません。 設計の考え方や設計自体が費用を直接的に上げるわけではないのです。 ただ、私たちがパッシブデザインという思想を通して目指しているのは、ご家族が長く健やかに、そして心地よく暮らせる「質の高い家」です。 そのためには、例えば肌触りの良い無垢材や、壁が呼吸する自然素材といった建材を選んだり、その性能を最大限に引き出すための丁寧な施工が欠かせません。 そうした、一棟一棟へのこだわりが、結果として初期費用に反映されることがある、というのが本当のところです。 しかし、私たちは家づくりを「モノ」への投資ではなく、「家族の健康と、笑顔あふれる豊かな時間」への投資だと考えています。 目先の費用だけを考えて性能の低い家を建てると、暮らし始めてからの光熱費の負担はもちろん、結露によるカビやダニといった健康への不安も抱えることになります。 パッシブデザインへの初期投資は、まず将来の光熱費を大きく削減してくれます。 さらにそれ以上に、化学物質の不安から解放され、思わず深呼吸したくなるような新鮮な空気の中で健やかに暮らせる価値は、何にも代えがたい宝物ではないでしょうか。 「間取りやデザインの自由度が下がる」という話 これは、半分は本当で、半分は誤解、と私たちは考えています。 確かに、太陽の光や風といった自然の恵みを最大限にいただくため、パッシブデザインには「南側に大きな窓を設ける」「夏の日差しを遮るために軒を深くする」といった、設計上のルールが存在し、建物の形や窓の位置に、ある程度の制約が生まれるのは事実です。 これを「不自由だ」と感じてしまうと、「自由度が下がる」という話になるのですね。 しかし、経験豊かな設計者にとっては、むしろここが腕の見せ所。 その土地の自然の理にかなったルールの中で、いかにご家族の理想の暮らしを形にし、デザイン性を美しく両立させるか。 吹き抜けで光と風の通り道をつくったり、高い位置の窓でプライバシーを守りながら空の景色を切り取ったりと、工夫の余地は無限に広がっているのです。 「土地や周辺環境に左右されやすい」という話 パッシブデザインは、その土地の気候や日当たり、風の通り方といった敷地が持つ個性と対話しながらつくる家なので、土地の条件によっては理想通りの効果が出にくい場合があるのは事実です。 例えば、冬でも一日中日陰になってしまうような土地では、太陽の暖かい光を室内に招き入れる、という恩恵は得にくいかもしれません。 しかし、そこで諦めてしまうのは、あまりにももったいないことです。 たとえ家全体で理想的なパッシブデザインを実現するのが難しくても、その考え方を部分的に取り入れ、暮らしの中に、心から「気持ちいい」と感じられる"お気に入りの場所"を創り出すことは、十分に可能です。 例えば、一日の中で最も長く光が射す場所に、本を読んだり、うたた寝したりするための窓辺のベンチを設ける。 夏に唯一、涼しい風が通り抜ける場所に、小さな書斎を設える。 すべてを完璧に、ではなくても、その土地が持つわずかな恵みを見つけ出し、最大限に活かすこと。 それこそが、厳しい条件の中で光る、本当の設計力だと私たちは考えています。 立地のハンデは、暮らしを豊かにする工夫に変えることができるのです。 「頼める工務店が少ない」という話 これは、残念ながら、その通りかもしれません。 そして、パッシブデザインで後悔するもっとも大きな原因が、実はここにあるのです。 パッシブデザインは、単に高性能な建材を組み合わせれば実現できる、パズルのようなものではありません。 その土地の気候風土を肌で感じ、読み解き、一棟一棟オーダーメイドで設計する、深い知識と豊かな経験が何よりも大切になります。 昨今では、家づくりにおいて、Ua値やC値といった性能数値が語られることが増えています。 しかし、私たちが本当に大切にしたいのは、数値の先にある「どんな暮らしを、あなたは望んでいますか?」という、心からの問いかけです。 その対話から、あなたの家づくりが始まってほしいと、願っています。 本当に信頼できるパートナーは、性能の話はもちろん、あなたが大切にしたい「心地よさ」の感覚について、深く耳を傾けてくれるはずです。 「どんな風に光が差し込むのが好きですか」 「どんな風が肌に触れると、気持ちいいと感じますか」──。 そんな、五感に響く対話を重ねられる相手かどうかが、大切なのだと思います。 パッシブデザインとは、自然の力を借りて、心と体が本当に「気持ちいい」と感じる暮らしを、一つひとつ丁寧に形にしていくための知恵であり、哲学です。 その本質を理解し、共感してくれる工務店と出会うこと。 それが、後悔しない家づくりの、何よりの近道になるはずです。 パッシブデザインは特別じゃない?日本の暮らしに学ぶ、家づくりの"あたりまえ" ここまでデメリットの噂を検証してきましたが、ここで少し視点を変えてみましょう。 近年、よく耳にするようになった「パッシブデザイン」ですが、実はこれは、何か特別で、目新しい発明というわけではないのです。 むしろ、「住まいの設計における、ごく当たり前の知恵」に、現代的な名前が付けられたもの、と捉える方が本質に近いかもしれません。 昔の日本の家屋を、そっと心に思い浮かべてみてください。 夏の強い日差しを遮り、冬の低い太陽の光を部屋の奥まで優しく届けるための、深い軒(ひさし)や縁側。 光を柔らかく室内に広げながら、風の通り道にもなった障子や欄間(らんま)。 このように、日本の伝統的な住まいには、その土地の気候と上手につきあい、自然の力を巧みにいただくための工夫が、当たり前のように、暮らしの中に脈々と受け継がれてきました。 言い換えれば、日本人は昔から、パッシブデザインの達人だったのですね。 私たち片山工務店でも、「太陽や風と仲良くする家づくり」は、創業以来ずっと大切にしてきた、家づくりの基本姿勢です。 京都という四季の表情が豊かな土地で心地よく暮らすためには、冬の陽だまりの暖かさや、夏を渡るそよ風の涼やかさといった、自然からの贈り物を活かす設計が欠かせないことを、長年の経験から肌で知っています。 ですから、"パッシブデザイン住宅"と聞いて、難しく考える必要はありません。 大切なのは、言葉や流行に振り回されるのではなく、「私たち家族にとって、本当に心地よい暮らしって、どんなだろう?」という本質を、じっくり見つめること。 そうすれば、ごく自然に、この理にかなった、古くて新しい設計思想に行き着くはずです。 デメリットを越えた先にある、パッシブデザインが育む3つの宝物 ここからは、デメリットをはるかに上回る、パッシブデザインがもたらす本質的な価値についてお話しします。 一年中、家のどこにいても「陽だまりのような快適さ」 パッシブデザインがもたらす最大の価値は、豪華な設備に頼ることなく、「室内がいつも新鮮な空気で満たされていること」、そして一年を通して家のどこにいても「陽だまりのような快適さ」が続くことです。 夏は、深い軒や庇が強い日差しを遮り、心地よい自然の風が室内をそっと通り抜けます。 冬は、窓からたっぷりと太陽のぬくもりを取り込み、家全体を足元からぽかぽかと暖めます。 しかし、私たちが目指すのは、単に「夏涼しく冬暖かい」だけの家ではありません。 機械換気に頼りすぎず、建物全体で空気が穏やかに流れる「パッシブ換気」や、湿気を自然に吸ったり吐いたりする「呼吸する壁」といった知恵を組み合わせることで、まるで森の中にいるような、清々しく健やかな空気環境を保ちます。 「リビングは快適だけど、廊下やトイレは寒い…」といった家の中の温度差(ヒートショックのリスク)や、空気がこもる不快感に悩まされることのない暮らし。 それが、日々の暮らしの質を根底から支える、本質的な豊かさなのです。 光熱費と将来の不安から解き放たれる「心の豊かさ」 パッシブデザインの家は、暮らし始めてからの光熱費をぐっと抑えてくれます。 自然の力を最大限に活かすことで冷暖房への依存度を減らし、電気代が高騰し続ける中でも、心穏やかに暮らせる家計のゆとりをもたらします。 さらに、私たちが特に大切にしているのが「家の価値を、時間と共に育んでいく」という視点です。 適切に設計された家は、壁の内部で結露が発生するリスクが低いため、家の構造を支える柱や土台が傷むのを防ぎ、建物の寿命を健やかに延ばすことに繋がります。 時が経っても手入れをしながら、愛着を持って長く住み継げることこそ、家の本当の価値だと私たちは信じています。 日々の光熱費、将来のメンテナンス費用、そして資産価値。 このように、3つの側面から見ても、パッシブデザインが家族の未来を豊かにする、とても理にかなった考え方であることがわかります。 地球に優しい、エネルギーに頼りすぎない美しい暮らし パッシブデザインは、家族の暮らしだけでなく、社会全体にとっても価値ある家づくりです。 太陽や風といった自然の力を巧みにいただく私たちの家づくりは、エネルギー消費を抑えることでCO2排出量の削減に直結し、地球環境を守ることに貢献します。 それは、「エネルギーを大量に消費する暮らし」から、「自然と共生する、地に足のついた美しいライフスタイル」へのシフトを意味します。 未来の子どもたちのために、美しい地球を残したい。 パッシブデザインを選ぶことは、そんな想いを形にする、一つの具体的なアクションでもあります。 特に片山工務店では、自然素材を取り入れた、心と体が深呼吸するような暮らしをご提案しています。 よろしければ、こちらもご覧ください。 京都の工務店代表がそっと語る|パッシブデザインで後悔しない3つのポイント 家づくりは、多くの方にとって一生に一度の大きな買い物です。 だからこそ、後悔のない、心から「この家にしてよかった」と思える選択をしていただきたい。 ここでは、長年京都で家づくりに携わってきた私たちが、確信を持って言える「3つのポイント」をお伝えします。 言葉のイメージに惑わされず、暮らしの本質を見つめる 「パッシブデザイン」「高気密高断熱」「省エネ」… 家づくりには、様々な言葉が登場します。 でも、本当に大切なのは言葉のイメージに流されるのではなく、「私たち家族にとって、本当に心地よい暮らしって何だろう?」を、じっくり話し合うことです。 例えば、私たちは「室内空気の新鮮さ」こそが心地よさの源泉だと考えています。 だからこそ、機械設備に頼りすぎるのではなく、自然の風の流れや、湿気を吸ったり吐いたりする壁の素材を大切にしているのです。 まずは、あなたにとっての「心地よさの物差し」を見つけることから、始めてみてください。 心から信頼できるパートナー(工務店)と出会う パッシブデザインは、設計者の知識や経験、そして職人の技術力によって、その心地よさが大きく左右されます。 だからこそ、パートナー選びが何よりも重要なのです。 見極めるポイントは、「なぜ、その家づくりをしているのか」という哲学や物語に、心から共感できるかどうか。 性能の話だけでなく、暮らしや健康に対する想いを、自分の言葉で熱く語ってくれる会社を見つけてください。 そして、ぜひ完成見学会などに足を運び、その会社がつくった家の「空気感」を、ご自身の肌で感じてみることをお勧めします。 「設備」に頼る前に、まず「家」そのものの性能を 家づくりでは、きらびやかなキッチンやお風呂などの設備に、つい目が行きがちです。 もちろんそれらも大切ですが、後からでも交換はできます。 設備はいつか寿命を迎え、交換が必要になります。 しかし、家の骨格となる設計(間取り、窓の配置など)や、壁の中の見えない部分(断熱や構造)は、後から簡単には変えられない、一生のお付き合いになる部分です。 私たちの信念は、「まず家そのものの性能と設計で、エネルギーに頼らない暮らしの土台を築き上げる。その上で、どうしても足りない部分を、最小限の設備で補う」というもの。 建物の"素肌"ともいえる基礎体力を磨き上げることこそ、何よりも優先すべきだと考えています。 ぜひ皆さんも、住宅会社を選ぶ際には、「この会社は、設備の話をする前に、まず設計の工夫で暮らしを豊かにする提案をしてくれるだろうか」という視点で見てみてください。 家づくりの本質は、立派な機械を付けることではなく、気の利いた設計で暮らしを豊かにすることです。 まとめ|後悔しない家づくりのために、本当に大切なこと これまで見てきたように、パッシブデザインのデメリットと言われるもののほとんどは、「設計・施工のレベル」と「コストに対する考え方」に集約されます。 後悔しない家づくりのために、流行や目先の情報に惑わされず、ぜひ、ご自身の心の中にある本質を見極めてください。 技術や数値を目的としない: 高性能な家は、あくまで心地よい暮らしを実現するための手段です。スペックを追い求めることが目的にならないように。 空気の質にこだわる: 私たちが最も大切にする「室内空気の新鮮さ」。その価値に共感できるかは、一つの大切な物差しになります。 デメリットは乗り越えられる: 不安な点は、信頼できるパートナーの設計力と正しい知識で、心地よさに変えていけます。 価値観を分かち合う: 「長く住み継げる本物の家をつくりたい」という想いを分かち合える専門家を見つけることが、成功への一番の近道です。 パッシブデザインは、単なる省エネ住宅ではありません。 それは、機械に頼りすぎず、自然の力をお借りして家族の健康を守り、日々の暮らしを豊かに紡いでいく、日本の風土に深く根ざした家づくりの物語です。 この記事が、あなたの後悔のないパッシブデザインの家づくりに、少しでもお役立てできれば幸いです。

Contact

設計・施工のご相談、お見積りに関することなど、
お気軽にお問い合わせください。

If you are interested to know more about our services in English,
please send an email inquiry via our free consultation page.