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土壁の家は本当に快適?京都で50年の工務店が語る魅力と注意点 | 自然素材

土壁の家は本当に快適?京都で50年の工務店が語る魅力と注意点

本当に心地よい家って、どんな家でしょう? 最新の機能も大切ですが、もっと自然体で、健やかに過ごせる空間を求めている方も多いのではないでしょうか。 そんな想いが、古くから日本の家を支えてきた「土壁」への関心に繋がっているのかもしれません。 この記事では、土壁の基本的な魅力や気になる点、他の自然素材との違いを分かりやすくお伝えします。 さらに、性能だけでは語れない五感で感じる心地よさや、長く愛せる価値について、京都で50年以上自然素材と向き合ってきた私たち片山工務店の視点も交えながら、一緒に考えていきましょう。 この記事でわかること 土壁の家って実際どう?基本的なメリット・デメリット 数字だけじゃない、土壁がもたらす「五感の心地よさ」 漆喰や珪藻土とはどう違う?他の自然素材との比較 コストや手間は?デメリットとの上手な付き合い方と京都での活かし方 そもそも「土壁」とは? 日本の家を支えてきた伝統の壁 「土壁(つちかべ)」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか? その名の通り、主役は「土」ですが、ただ土を塗るだけではありません。 これは、日本の気候風土に合わせて先人が生み出した、伝統的な壁づくりの技術なのです。 簡単に言うと、木の柱と柱の間に竹などで骨組み(竹小舞)を作り、そこに藁(わら)などを混ぜた土を、何度も塗り重ねて厚みを出していく壁のこと。 化学的な接着剤に頼らず、土・水・藁といった自然の恵みだけで作られます。 この自然素材ならではの「厚み」と、土が持つ性質によって、壁自体がまるで呼吸するように湿気を調整したり、熱を蓄えたりします。 だからこそ、昔から日本の家を暑さや寒さから守る、大切な役割を担ってきました。 まさに「生きた壁」とも言える存在なのです。 では、この自然の知恵が詰まった土壁には、具体的にどのような特徴や魅力があるのでしょうか? 土壁の家の魅力とは? 6つの機能が生み出す心地よさ 私たちも京都で長年家づくりをしてきて、土壁という先人の知恵、自然の恵みが持つ力の大きさを実感しています。 それは単なる経験則ではなく、現代の暮らしにも役立つ確かなものです。 ここでは、土壁が持つ代表的な6つの素晴らしい特徴をご紹介します。 土壁が持つ特徴 調湿効果 : 室内の湿度を快適に保つ 断熱・蓄熱性 : 夏涼しく冬暖かく、冷暖房効率も向上 耐火性 : 燃えにくく、火災時の延焼を抑える 脱臭・空気清浄 : 生活臭などを吸着し空気をきれいに 安全性 : 化学物質を含まず健康的 意匠性 : 手仕事による温かみのある風合い これらの特徴が複合的に作用することで、私たちの暮らしの中に具体的な「心地よさ」をもたらしてくれます。 これらの特徴が、どのように私たちの五感を通じて、深呼吸したくなるような空間をつくり出すのか。 数字や性能だけでは表せない、土壁の本質的な魅力を見ていきましょう。 身体が感じる本物の快適さ|調湿性と温熱環境で年中過ごしやすく 土壁の家が心地よいと感じる大きな理由の一つが、その優れた「調湿効果」です。 壁自体がまるで呼吸するように湿気を吸ったり吐いたりして、部屋の湿度を快適な状態に保とうとします。 実験データによると、実際の建物の土壁で最大0.5mm程度の降水量に匹敵するの水分のやりとりが確認されています。 出典:「土壁の水分吸収・放出に関する基礎的研究 (朽津 信明・森井 順之)」 実際、ジメジメする梅雨時でも肌がサラッとしやすく、乾燥しがちな冬も過度な乾燥を防ぎ、しっとりとした空気感を保ってくれます。 さらに、土壁はその蓄熱性から夏の暑さを和らげ、冬は暖かさを蓄えてじんわりと放出してくれます。 急激な温度変化が少ないため、一年を通して穏やかな室温を保ちやすいのが特徴です。 エアコンのような即効性とは違いますが、まるで「陽だまり」や「洞窟」にいるような、身体に優しい自然な心地よさが得られるのです。 五感に響く心地よさ|安全性・香り・質感・色彩の魅力 家の中の空気って、思った以上に大切ですよね。 土壁は、土や藁といった自然素材だけでできているので、シックハウス症候群の原因になるような化学物質(VOC)の心配がほとんどありません。 これなら、小さなお子さんやアレルギーが気になるご家族も、きっと安心して深呼吸できますね。 土壁の部屋に入ると、ふんわりと土の自然な香りがすることがあります。 人工的な香りとは違う、なんだかホッとする香りです。 それに、壁の小さな穴が、気になる生活臭を吸い取ってくれる嬉しい効果も。 見た目や手触りも、土壁ならではの魅力。左官職人さんがコテで仕上げた壁は、一つひとつ表情が違って、なんとも言えない温かみがあります。 光が当たると壁に混ざった藁がキラッと見えたり、自然なアースカラーが目に優しかったり。 触ると少しひんやり、でもどこか柔らかい。 そんな五感に響く心地よさが、土壁には詰まっています。 意外な効果?土壁がもたらす心地よい静けさ 意外に知られていないかもしれませんが、土壁はある程度の「吸音効果」も持っています。 壁の厚みや仕上げにもよりますが、一般的な石膏ボードと比べると、特に中高音域の音を吸収しやすい特性があります。 これにより、室内の反響音が抑えられ、会話が聞き取りやすくなったり、オーディオの音も、よりまろやかに聞こえるでしょう。 完全に音を遮断する「遮音」とは異なりますが、外部の騒音を和らげ、室内で発生する音の響きを心地よく調整してくれることで、より静かで落ち着いた空間づくりに貢献します。 隣室の生活音が少し和らぐだけでも、日々のストレスは大きく軽減されるのではないでしょうか。 土壁と他の自然素材(漆喰・珪藻土・砂壁・シラス壁)の比較 自然素材の塗り壁って、土壁以外にもいろいろな種類があります。 「漆喰や珪藻土とは、具体的にどこが違うの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。 ここでは、代表的な自然素材の塗り壁である「漆喰」「珪藻土」「砂壁/聚楽壁」「シラス壁」と土壁を比べて、それぞれの特徴と違いを分かりやすく整理しました。 素材 主な特徴 土壁との主な違い 土壁 バランス型 調湿、蓄熱、耐火、安全性。厚塗りでき、構造体にもなりうる。   漆喰 美観・耐久型 白く美しい、防カビ、耐水性。お城や蔵で実績。 仕上げ材。合成樹脂添加の場合あり。蓄熱性は低い。 珪藻土 調湿特化型 非常に高い調湿性。デザイン自由度も高い。 仕上げ材。固化材が必要。蓄熱性は低い。 砂壁/聚楽 意匠重視型 和室の伝統的な仕上げ。上品な風合い。 仕上げ材。機能性は下地(土壁など)依存。表面が剥がれやすい。 シラス壁 高機能型 高い調湿・消臭性。100%自然素材を謳う製品も。 仕上げ材。比較的高価で、職人を選ぶ場合あり。蓄熱性は低い。火山由来。 もう少し詳しく、それぞれの素材を土壁と比べながら見ていきましょう。 土壁ならではの大きな特徴は? 他の自然素材塗り壁は「仕上げ材」としての役割が強いのに対し、伝統的な工法で作られる土壁は、しっかりとした厚みを持たせることができ、壁自体が構造の一部にもなりうる点が大きな違いです。 そして、その厚みがあるからこそ、熱を蓄えじんわりと放出する「蓄熱効果」も期待できるのです。 漆喰(しっくい)との比較 漆喰は、お城の壁などでもおなじみの、ツルッとした白い壁です。 土壁と比べると、カビに強く、水にも比較的強いのが特徴。 ただ、漆喰だけだと割れやすいので、多くの製品には接着剤などが混ぜられています。 また、土壁のように分厚く塗って壁の構造体にする、というよりは、表面の仕上げとして使われることが多いですね。 珪藻土(けいそうど)との比較 珪藻土は、湿気を吸ったり吐いたりする力が非常に高いのが最大の魅力。 色々な色や塗り方ができるので、デザインにこだわりたい方にも人気です。 ただし、珪藻土そのものは固まらないので、セメントや樹脂などで固める必要があります。 漆喰と同じく仕上げ材なので、薄塗りになることが多く、土壁のような熱を蓄える効果(蓄熱性)はあまり期待できません。 砂壁(すなかべ)/ 聚楽壁(じゅらくへき)との比較 砂壁や聚楽壁は、和室でよく見かける、キラキラした砂粒が入った壁です。 独特の上品な風合いが持ち味です。 多くの場合、下地となる土壁の上に薄く塗られる仕上げ材なので、調湿などの機能は下の土壁頼み。 手で触るとポロポロ落ちやすいのが少し気になるところかもしれません。 シラス壁との比較 シラス壁は、火山灰を原料にした比較的新しい素材。 調湿や消臭のパワーはかなり高いと言われています。100%自然素材を謳う製品もあります。 ただ、こちらも仕上げ材がメインで、土壁のような厚みや蓄熱効果は限定的。 材料費が少し高めだったり、扱える職人さんが限られたりすることもあります。 もちろん、どの素材にも良さがあります。 デザイン、機能、コスト、お手入れのしやすさなど、何を一番大切にしたいかによって、変わってきます。 土壁の気になる点は本当に「欠点」? 価値観を変える3つの視点 ここまで土壁の魅力をお伝えしてきましたが、もちろん良い面ばかりではありません。 土壁を検討する上で、一般的に「デメリット」として挙げられる点も正直にお伝えする必要があります。 初期コストが高め ビニールクロスなど一般的な壁材と比べると、材料費と左官職人の手間がかかるため、費用は高くなる傾向があります(一般的な壁仕上げの約7〜10倍程度が目安)。 工期が長くなる場合も 土を塗り重ね、それぞれの層を乾燥させる時間が必要なため、特に伝統的な工法(荒壁→中塗り→上塗り)では最低でも2ヶ月以上の養生期間を見込む必要があります。 ひび割れやメンテナンスの手間 自然素材であるため、乾燥収縮による細かなひび割れ(ヘアークラック)が発生することがあります。また、汚れた場合に水拭きができないなど、手入れに少し注意が必要です。 現代工法断熱性に劣る 土壁単体の断熱性能は、現代の高性能な断熱材には及びません。そのため、断熱性を重視する場合は、外断熱など他の断熱工法との組み合わせを考える必要があります。 確かに、効率性や初期コストだけを考えれば、これらは欠点に見えるかもしれません。 しかし、私たちは少し視点を変えて、これらの「気になる点」と向き合うことで、むしろ豊かな暮らしや本質的な価値が見えてくるのではないかと考えています。 ここでは、私たちが大切にしている3つの視点をご紹介します。 ①「高い」の先にあるもの – 長期的な視点で考える 確かに、土壁の家は最初の費用が少し高めかもしれません。一般的な壁仕上げの約7〜10倍程度が目安です。 でも、家づくりは建てた瞬間だけを見るものではありません。 土壁の家は、手入れをすれば本当に長持ちします。 土壁は湿気をうまくコントロールしてくれるので、家の大切な柱などが傷みにくいんです。 それに、化学物質の心配がない自然素材なので、家族みんなが長く健康に暮らせる、というプライスレスな価値もあります。 さらに嬉しいのが、光熱費の節約につながる可能性があること。 土壁が持つ熱を蓄える力(蓄熱性)のおかげで、冷暖房をガンガン使わなくても快適に過ごしやすくなりますし、環境への優しさも見逃せません。 目先の金額だけでなく、長く住む間の快適さ、健康、光熱費、そして地球への思いやり。 そんな「トータルで見た価値」を考えると、「高い」というイメージも少し変わってくるかもしれません。 これこそ、一時の流行ではなく、ずっと愛せる「ロングライフデザイン」の考え方だと思うのです。 ②「手間」はマイナス?|愛着と経年美化を楽しむ 土壁に細かなひび割れが入ることは、自然素材であるがゆえの性質とも言えます。 しかし、それは構造的な欠陥につながるものではなく、多くの場合、簡単な補修で対応できます。 むしろ、その補修を「手間」と捉えるのではなく、家族で一緒に壁のメンテナンスをする「イベント」として楽しむこともできるかもしれません 少し汚れたり、傷ついたりしても、それを味わいとして受け入れ、手入れをしながら共に時間を重ねていく。そうすることで、家への愛着はより深まっていきます。 完璧な状態を維持しようとするのではなく、時間と共に変化していく様を「経年美化」として楽しむ。 そんな、少し肩の力を抜いた、丁寧な暮らしのあり方も、土壁は教えてくれる気がします。 工期が長いことも、見方を変えれば、じっくりと家づくりに向き合い、職人さんとコミュニケーションを取りながら、完成を心待ちにする豊かな時間と捉えることもできるかもしれません。 ③「性能は大丈夫?」|自然素材の良さを活かす現代技術 土壁単体の断熱性能が現代の断熱材に劣るのは事実です。 しかし、だからといって土壁の家が寒いわけではありません。 大切なのは、土壁の持つ優れた調湿性や蓄熱性といった「良い点」を最大限に活かしつつ、「弱点」を他の技術で補うという考え方です。 例えば、建物の外側で断熱を行う「外断熱工法」と土壁を組み合わせてみる方法。 これにより、土壁の持つ蓄熱性を室内に活かしながら、高い断熱性能を確保することが可能です。 耐震性についても、私たちは「古くて新しい」発想を大切にしています。 単に壁を固くするのではなく、伝統的な土壁(特に竹小舞を入れた壁)が持つ、粘り強く揺れを受け流す性質を活かしながら、現代の構造解析に基づいた的確な補強を加える。 これにより、ただ強いだけでなく、しなやかさも備えた、本当に安心できる構造を目指しています。 そもそも土壁は、自然から生まれ、職人の手で形づくられるもので、工業製品のように均一ではありません。 自然素材と手仕事から生まれる壁は、一つとして同じものがなく、どこかホッとするような表情や温かみがあります。 私たちは、このデータだけでは測れない「心地よさ」こそが土壁の本質だと考えます。 だから、性能数値を追い求めるだけでなく、土壁ならではの良さを活かしつつ、現代の技術で弱点を補う。 そうやって、人が理屈抜きに「気持ちいい」と感じられる空間をつくること。 それが、私たちが考える、これからの土壁との良い付き合い方です。 100年先も心地よい家|土壁の持続可能性とこれからの役割 日本の家づくりは、かつて「スクラップ&ビルド」が主流で、平均寿命が30年程度と短いことが問題視されてきました。 しかし、今、社会全体が持続可能性(サステナビリティ)を重視するようになり、住宅も「長く大切に使う」という価値観へとシフトしています。 そんな時代だからこそ、土壁が持つ本質的な価値が、改めて見直されているのです。 長く使う日本の知恵|土壁が持つサステナブルな価値 京都の街並みを見れば、築100年を超える町家が今も現役で使われている例は珍しくありません。 これらの建物が長く使われ続けてきた背景には、日本の伝統的な家づくりの知恵があります。 その知恵の一つが、まさに「土壁」の活用です。 土壁は、傷んだり古くなったりしても、上から塗り重ねて補修したり、一部を剥がして作り直したりすることが比較的容易です。 柱や梁といった構造材を土壁が覆うことで、火災や湿気から守り、建物の寿命を延ばす役割も果たしてきました。 そして、その役目を終えた時、土壁は化学物質を排出することなく、最終的には土に還ることができます。 まさに、土から生まれ、最後は土に還る。 そんな自然のサイクルに沿った壁なのです。 「モノを大切に、長く使う」という、今注目される考え方を、昔から実践してきた証とも言えますね。 家を「使い捨て」ではなく、世代を超えて住み継ぐ「宝物」として考えたとき、土壁はとても理にかなった素材なのです。 京都の風土と響きあう土壁の住まい|片山工務店の家づくり 私たち片山工務店は、京都で50年以上、この地の気候や文化に深く根ざした家づくりを続けています。 目指すのは、住む人が心から「自然体」でいられ、京都の歴史ある街並みに美しく溶け込む住まいです。 京都特有の、夏の蒸し暑さや冬の厳しい底冷え。 実は、こうした気候にこそ、土壁は素晴らしい相性を見せてくれます。 壁が呼吸するように湿気を調整し(調湿性)、熱を蓄えて穏やかに放出する(蓄熱性)土壁の力は、まさにこの土地で快適に暮らすための先人の知恵。 私たちは、その力を最大限に活かす設計・施工を追求しています。   同時に、私たちは『そらどま』という独自の仕様もご提案しています。 これは、伝統的な土壁(湿式工法)が持つ優れた調湿性や蓄熱性といった「呼吸する壁」の機能を、現代の建材を用いた乾式工法で実現するものです。 『そらどま』の家は、「呼吸する壁」による優れた調湿性能と蓄熱性能、そして高い遮熱性能を有しており、一年を通して自然で快適な室内環境を目指しています。   お客様一人ひとりの想いに寄り添い、完全オーダーメイドで理想の家づくりをお手伝いする中で、伝統的な土壁の温もりを大切にしつつ、『そらどま』のような現代的な手法も取り入れ、自然素材の心地よさや京都らしい落ち着いた佇まいを追求しています。 快適性、見えない部分の品質、そして地震に強く長持ちする安心の住まいを実現し、完成後のアフターフォローも、信頼できる顔ぶれで責任を持って行います。 古くからの知恵を受け継ぎ、現代の暮らしに合わせて進化させる。 そして、京都という土地と、住まう人の「想いをつなぐ」。 そんな「自然に住まう」家づくりを通して、心豊かな暮らしをお届けします。 まとめ:土壁で叶える、あなたらしい「自然に住まう」家 ここまで、土壁の基本的な知識から、その多機能性、五感で感じる心地よさ、気になる点への向き合い方、そして他の自然素材との違いまでお話ししてきました。 土壁の家の魅力は、自然との繋がりを感じながら、時間と共に愛着を深めていける「丁寧な暮らし」を叶えてくれる点にあります。 この記事が、あなたにとっての「本当に心地よい家」を考えるヒントとなれば幸いです。 私たち片山工務店は、京都の風土に合わせたオーダーメイドの家づくりを50年以上続けてきました。 自然素材への深い知識と確かな技術、そして何よりお客様一人ひとりの想いに寄り添うことを大切に、「本当に心地よい」「自然に住まう」家づくりを実現します。 「土壁の家」に興味が湧いた方、自然素材を活かした新築やリフォーム、古民家再生について具体的に考えたい方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。 経験豊富な設計士が、あなたの理想の家づくりを心を込めてサポートいたします。

こんな人は漆喰の家で後悔しない!京都で50年の工務店が語る本当の価値 | 自然素材

こんな人は漆喰の家で後悔しない!京都で50年の工務店が語る本当の価値

「漆喰の家って素敵だけど、後悔するって話も聞くし…」。 家づくりで漆喰壁に憧れをお持ちになる一方で、そんな不安を感じていらっしゃるかもしれませんね。 ネットの情報を見ると「ひび割れ」「汚れ」「費用」など、気になる点も多く、迷ってしまうお気持ち、よく分かります。 この記事では、京都で50年以上にわたり自然素材の家づくりに携わってきた私たち片山工務店が、漆喰に関するさまざまな疑問や不安に、長年の経験に基づいてお答えします。 後悔と言われる点の本当の理由から、漆喰との上手な付き合い方、データだけでは見えてこない漆喰ならではの心地よさ、そして京都の気候風土でその魅力を最大限に活かす秘訣まで、丁寧にお話ししていきます。 漆喰という素材が持つ「個性」を深く理解し、ご自身の価値観と照らし合わせることが、後悔しない家づくりの第一歩です。 ぜひ最後までお付き合いいただき、あなたの家づくりにお役立てください。 この記事でわかること 漆喰の家で「後悔」と言われる本当の理由 漆喰が持つ注意点との上手な付き合い方 データだけでは語れない、漆喰がもたらす本質的な心地よさ 京都の気候風土で漆喰を最大限に活かす秘訣 こんな人は後悔しない!漆喰と相性が良い4タイプ 漆喰は素晴らしい自然素材ですが、その個性的な特徴から、すべての方に100%合うとは限りません。 しかし、もし以下の4つのタイプのどれか一つでも「自分に近いな」と感じるなら、漆喰の家で心地よい豊かな暮らしを実現できる可能性は、ぐっと高まることでしょう。 タイプ① 経年変化を楽しむ「ナチュラル派」 漆喰の壁は、ビニールクロスのように時間が経っても新品同様というわけにはいきません。 陽の光を浴びて少しずつ色が落ち着いたり、時には細かなひび割れ(ヘアークラック)が入ったりすることもあります。 ですが、それを「劣化」ではなく「味わい」として受け止め、時間と共に変化していく様子を楽しめる方にとって、漆喰はかけがえのないパートナーになるはずです。 さらに、漆喰は静電気を帯びにくいという、嬉しい性質も持っています。 ホコリが付きにくいため、年月を経ても壁が黒ずみにくいのです。 日々の暮らしで付いてしまう多少の汚れでさえ、不思議と壁の景色の一部として馴染んでいくように感じられるかもしれません。 古い町家や土蔵の漆喰壁が、時を経てもなお趣深く、美しい風情を醸し出しているのをご覧になったことはありませんか? あれこそが、漆喰ならではの「経年美」の証と言えるでしょう。 完璧な均一性よりも、自然な風合いや「わびさび」にも通じるような感覚を大切にしたい。 そんな方にとって、漆喰壁はきっと愛着の湧く存在になります。 タイプ② 住まいを育てる「DIY&メンテ派」 「家は完成したら終わり、ではなくて、自分で手を加えながら大切に育てていきたい」。 そんな風に考えている方にとって、漆喰はとても魅力的な素材です。 というのも、小さな傷や汚れがついても、比較的ご自身で手直ししやすいのが漆喰の長所だからです。 例えば、髪の毛のような細いひび割れ(ヘアークラック)なら、市販の補修材(パテ)を使えば、慣れれば15分〜30分ほどで目立たなくすることも可能です。 部分的に上塗りしても境目が比較的目立ちにくいので、「自分でやるのはちょっと…」と感じているDIY初心者の方でも、意外と挑戦しやすい塗り壁なんです。 こうした手軽さもあって、実際にお子さんと一緒に壁の一部を塗り直すなど、メンテナンスをまるでワークショップのように楽しまれているオーナー様もいらっしゃいます。 自分で手入れをすることで、家への愛着がより一層深まるのも、漆喰ならではの素敵な体験ではないでしょうか。 住まいのメンテナンスを「手間」と捉えるのではなく、「楽しみ」として積極的に関わりたい。 そんな方には、漆喰はきっと応えてくれる素材です。 タイプ③ 室内空気を最優先する「健康志向派」 ご自身やご家族の健康のために、なによりも室内の「空気環境」を大切にしたい。 そうお考えの方にとって、漆喰はその想いに応える素材となるはずです。 自然素材である漆喰は、化学物質などが心配な方にも、安心してお使いいただける素材の一つです。 漆喰がもたらす、健やかな空気環境のメリット 心地よい湿度に整える「調湿効果」 漆喰の壁には目に見えない小さな孔がたくさんあり、まるで呼吸するように室内の湿気を吸ったり吐いたりします。湿度が高いときは吸湿し、乾燥しすぎると放湿して、快適とされる湿度(40〜70%程度)に近づけようと働きます。これにより、結露やカビ、ダニの発生を抑える効果も期待できます。 清潔さを保つ「抗菌・抗ウイルス性」 漆喰の主成分である消石灰は強いアルカリ性のため、カビや細菌が繁殖しにくい性質を持っています。(※特定の条件下での試験結果です。効果を保証するものではありません。) 化学物質の心配が少ない「低VOC」 シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機化合物(VOC)を含まないため、小さなお子様やアレルギーをお持ちの方でも、より安心して過ごせる空間づくりに役立ちます。 目には見えない「空気の質」。 すが、その質にこだわることは、健やかな暮らしの基本です。 漆喰の持つ力が、きっと大きな安心感をもたらしてくれるでしょう。 タイプ④ 資産価値を長期で考える「ライフサイクル重視派」 家づくりを、建てるときの費用(初期投資)だけでなく、もっと長い目で見て考えたい。 メンテナンスにかかる費用や、将来的な家の価値も含めて判断したい。 そんな堅実な視点をお持ちの方にも、漆喰は一考の価値がある素材です。 長い目で見たときの、漆喰の価値とは 時間と共に増す「耐久性」 漆喰は、空気中の二酸化炭素とゆっくり反応して、時間をかけて石灰石という元の硬い状態に戻っていきます。そのため非常に耐久性が高く、適切なお手入れを続ければ、何十年もの間、美しい状態を保つことができるのです。 張替え不要で「メンテナンスコスト削減」 ビニールクロスは、一般的に10〜15年ほどで汚れや劣化が気になり、張替えを検討することが多いですが、漆喰壁は基本的に全面的な張替えが不要です。長いスパンで見れば、初期費用の差を上回るコストメリットが生まれる可能性も考えられます。(※お住まいの状況やメンテナンス頻度によって異なります。) 将来的な「資産価値」への期待 近年、手間暇かけてつくられた自然素材の家は、その価値が見直され、中古市場でも根強い人気があります。「本物志向」の住まいとして、将来的な資産価値の維持にも繋がるかもしれません。 目先の費用だけでなく、住まいの寿命や長期的な維持管理まで含めて、納得のいく家づくりをしたい。 そんな方にとって、漆喰はとてもあっているでしょう。 漆喰の家で後悔した...5つの後悔ポイントと上手な付き合い方 漆喰と相性が良いタイプを見てきましたが、やはり気になるのは「後悔」につながるデメリットの部分ですよね。 ここでは、よく聞かれる5つの後悔ポイントについて、その原因と上手な付き合い方、そして解決策を具体的にお伝えします。 1.「ひび割れ」が気になる...でも味わいと捉え、簡単DIYも 漆喰でよく耳にするのが「ひび割れが心配…」という声です。 漆喰の壁に見られる細かなひび割れ、これは「ヘアークラック」と呼ばれ、主に漆喰が乾燥する際の収縮や、建物のわずかな動きによって生じるものです。 多くの先輩オーナー様は、このヘアークラックを「手仕事の証」「壁の表情」として、経年変化の味わいと捉えていらっしゃいます。 構造的な問題はほとんどなく、むしろ「愛着が増す」という声もあるほどです。 もし見た目が気になる場合も、DIYで簡単に補修できるのが漆喰の良いところ。 まるで家具を手入れするように、住まいを育てる感覚で付き合えます。 もちろん、幅が広く深いひび割れの場合は、無理せずプロ(私たちのような施工業者)に点検・補修をご依頼ください。 それでしっかり対応できます。 2.白い壁の「汚れ」は?自分で直せる手軽さで愛着アップ 「白い漆喰の壁って、汚れが目立ちそうで…」 特に小さなお子様やペットのいるご家庭では、気になる点かもしれませんね。 確かに、漆喰は静電気を帯びにくいのでホコリは付きにくいのですが、やはり暮らしの中で手垢や食べこぼし、お子様の落書きなどが付いてしまうことは避けられません。 でも、ご安心ください。そんな時も、漆喰ならご自身で対処できることが多いのです。 実際に、手垢や鉛筆などの軽い汚れなら、まずは柔らかい消しゴムで優しくこすってみてください。 それで落ちることも多いです。 コーヒーなどをこぼしてしまったら、まずは慌てずに乾いた布で、こすらず吸い取るようにすぐに拭き取りましょう。 多くの場合、これでシミにならずに済みます。 もしシミが残ってしまった場合は、水で薄めた中性洗剤を布に少し含ませて、ポンポンと軽く叩くように拭いてみてください。 それでも落ちないような頑固なシミには、塩素系漂白剤を薄めて使う方法もあります。 ただし、漆喰の種類によっては白くなりすぎたり、少し風合いが変わったりすることもあるため、試す場合は、必ず目立たない場所で確認してから、作業後はしっかり水拭きして漂白剤を取り除いてください。 しかし、あまり心配しすぎないでください。 漆喰の素晴らしいところは、万が一シミが残ってしまっても、最終的にサンドペーパーで軽く削ったり、その部分だけ上塗りしたりして、ご自身でリカバリーできる点です。 この「汚れたら自分で直せる」という手軽さが、「家を育てる楽しみ」となり、住まいへの愛着を一層深めてくれます。(※油性ペンのような落ちにくい汚れもありますのでご注意ください) 完璧を求めすぎず、メンテナンスも暮らしの一部として楽しむ。 そんな気持ちで漆喰と付き合っていくのが、後悔しないコツと言えるでしょう。 ご自身での対処が不安な場合は、無理せず私たち施工業者にご相談いただくのが一番確実です。 3.「初期費用が高い」...長期コストで考える漆喰の価値 「漆喰って、やっぱり初期費用が高いんでしょう?」 ご心配はもっともです。 材料費や左官職人の丁寧な手仕事が必要となるため、最初のコストはビニールクロスより高くなるのが一般的です。(目安: 坪あたり+8千円〜 ※仕様による) しかし、漆喰の価値は「初期費用」だけでは測れない、と私たちは考えます。 視点1:未来を見据えた「トータルコスト」で考える 漆喰は非常に長持ちし、ビニールクロスのような定期的な張替えが基本的に不要です。つまり、20年、30年と住み続けるほど、メンテナンスコストが抑えられ、結果的に経済的になる可能性も十分にあります。 視点2:お金では測れない「暮らしの豊かさ」を大切にする 心地よい空気、美しい質感といった、お金には代えられない日々の豊かさも、漆喰がもたらす大切な価値。「この快適さなら納得」というオーナー様の声も少なくありません。 視点3:こだわりと予算のバランスを「一緒に」考える リビングだけ漆喰にする、一部をご自身でDIYに挑戦するなど、ご予算とこだわりに合わせて計画を工夫することも可能です。私たちはお客様との対話を重ねながら、最善の方法を一緒に見つけていきます。 目先の費用だけでなく、未来のコスト、そして暮らしの質。 ぜひ、総合的な視点から漆喰の価値をご検討ください。 4.「メンテナンスが大変...」実はシンプル、家を育てる楽しみに 「漆喰は手入れが大変そうで後悔した、という話も…」 確かに、化学雑巾でゴシゴシお掃除、というわけにはいきません。 でも、普段のお手入れはホコリをサッと払う程度で、実はとてもシンプルなのです。 もし軽い汚れやひび割れを見つけても、DIYで補修できるのが漆喰のいいところ。 これを「大変」と捉えるのではなく、「家を育てるイベント」として楽しんでみるのはいかがでしょうか。 例えば年に一度「漆喰チェックの日」を設けて、家族で簡単な補修を楽しむ方もいらっしゃいます。 「手間」ではなく、愛着を深める時間として漆喰と向き合ってみるのも良いものです。 もちろん、難しい場合や定期的なチェックは、私たち工務店がしっかりサポートしますのでご安心ください。 5.「カビが生えやすい」って本当?漆喰の性質と正しい対策 「漆喰の壁にカビが生えたら…」湿気の多い日本では、ご心配ですよね。 まず知っておきたいのは、漆喰は本来、主成分の力(強アルカリ性)でカビがとても生えにくい素材だということです。 この湿気の多い京都で、昔から町家や土蔵の壁を守ってきたのも、この漆喰の力があってこそなのです。 それでもカビが生えるとしたら、それは換気不足による高湿度や壁の中の結露など、カビが好む「環境」ができてしまうからです。 だからこそ、私たちが家づくりで大切にするのはこの3点です。 カビにくい「空気の流れ」をつくる設計。 家全体の風通しを考え、湿気がこもらない工夫と結露対策を徹底します。 見えない部分こそ「丁寧な仕事」で応えること。 壁の中の湿気の逃し方など、目に見えない施工品質がカビ防止には不可欠。正直な仕事をお約束します。 もしもの時も、慌てない「知恵」をお伝えすること。 初期のカビなら消毒用エタノールで拭ける場合も。手に負えない時や心配な時は、いつでもご相談ください。 漆喰の性質を知り、カビが生えにくい環境を丁寧につくること。そして、万が一の知恵と頼れる相談相手がいること。 これで、カビへの不安はきっと軽くなるはずです。 五感で感じる漆喰の3つの本質的な価値 さて、ここまで漆喰の家で後悔しそうな点とその付き合い方について見てきました。 それでも、多くの方が漆喰の壁に惹かれるのは、そうした点を補って余りある、確かな魅力があるからなのです。 それはきっと、言葉や数値だけでは表しきれない、漆喰の持つさまざまな力(性能)に裏付けられた、 「日々の暮らしの中でふと感じる、あの何とも言えない心地よさ、豊かさ」にあるのだと思います。 その心地よさを支えている、漆喰が持つ主な力(性能)を少しご紹介しましょう。 調湿性と断熱性 湿気を吸ったり吐いたりして、夏はカラッと、冬は乾燥しすぎない快適な空気環境へ。熱も伝えにくい性質です。 防火性 主成分の消石灰は燃えない鉱物。万が一の火災時にも安心感があります。 抗菌・防カビ性 強アルカリ性の力で、カビや細菌が繁殖しにくい、清潔な壁です。 自然素材による健康配慮(低VOC) 化学物質を含まないので、アレルギーなどが心配な方も安心です。 美しい経年変化 時間と共に風合いが増し、味わい深くなっていきます。 左官仕上げのデザイン自由度 職人の手仕事で、豊かな表情を作り出せます。 では、こうした漆喰の力が、具体的にどんな素敵な「体感」として私たちの暮らしに現れるのか、特に大切にしたい3つのポイントをご紹介します。 深呼吸できる“空気”──鼻先でわかる澄み切った室内 漆喰の家に入ると感じる、高原の朝のような「空気の清々しさ」。 それは、漆喰が持つ優れた力のおかげです。 まず、優れた「調湿性」。壁が呼吸するように湿気を調整し、梅雨時のジメジメ感を和らげてくれます。 さらに嬉しいのは「消臭効果」。気になる生活臭を吸着してくれるので、「翌朝には匂いが気にならない」という声もよく聞かれます。 加えて、主成分の力による「抗菌作用」も、清潔な空気感の一助に。 まるで一日中、朝一番の新鮮な空気が続くよう。「空気の質」が、心と体の快適さを支えます。 漆喰の壁は、まさに「家の中で思わず深呼吸したくなる」、そんな健やかな毎日をもたらしてくれるのです。 陽だまりが描く“陰影”──目で味わう豊かな表情 漆喰の壁が持つもう一つの大きな魅力、それは単なる「白さ」だけではない、独特の「質感」と、光が生み出す「陰影」の美しさにあります。 つるりとしたビニールクロスとは違い、漆喰の壁は左官職人さんの手仕事によって仕上げられます。 その時に生まれるコテ跡や、ミリ単位のわずかな凹凸。 これらが、部屋に差し込む光をやわらかく受け止め、壁全体に豊かな表情を与えてくれるのです。 朝の優しい光の中ではふんわりと明るく、昼間の強い日差しのもとでは陰影がくっきりと浮かび上がり、壁に奥行きを感じさせます。 また、夕方の西日が部屋をオレンジ色に染め上げれば、壁もまた温かみのある表情に。 夜、間接照明を灯せば、漆喰ならではのしっとりとした質感が際立ち、落ち着いた雰囲気を醸し出す…。 まるで、一日の中で壁がさまざまな表情を見せてくれるかのようです。 さらに、漆喰は「経年変化」も魅力の一つ。 時間が経つにつれて、色味や質感が微妙に変化し、さらに深みが増していきます。 漆喰の壁は、ただの白い平面ではありません。 光と影が織りなす、繊細なアートのような存在。その移ろいゆく美しさが、日々の暮らしに彩りと、心豊かな時間をもたらしてくれるでしょう。 素肌に優しい感触、触れるたびに感じる安心感 漆喰の魅力は、目に見えるものだけではありません。 壁にそっと触れた時に感じる、独特の「やさしい感触」も、多くの人を惹きつける理由の一つです。 それは、化学製品のようなツルツルとした冷たさとは違う、どこか素朴で、温かみのある質感。 この心地よさにも、漆喰ならではの力が関係しています。 漆喰は「調湿性」が高いため、壁の表面温度が急激に変化しにくいという特徴があります。 そのため、夏場に触れるとひんやりと心地よく、逆に冬場、暖房の効いた部屋で壁に寄りかかっても、あの「ヒヤッ」とした冷たさを感じにくいのです。 ほんのりとした温もりが、じんわりと伝わってくるような感覚です。 また、漆喰は「静電気を帯びない」という性質も持っています。 だから、ホコリが付きにくいだけでなく、壁に触れた時に、あの嫌なパチパチ感もありません。 小さなお子様が壁に手をついたり、無邪気にもたれかかったりしても、なんだか安心感がありますよね。 化学製品にはない、この素朴で優しい手触り。 それは、日々の暮らしの中で、私たちに無意識の安心感とリラックス効果を与えてくれます。 特に寝室など、心身を休める空間に漆喰を用いることで、その穏やかな恩恵をより深く感じられるのではないでしょうか。 漆喰の家オーナーの実際の声 実際に、漆喰の家に住むオーナー様にインタビューをしてみました。 原文ママ掲載しています。 住んで感じたメリット 「風合いが良い!ここが一番気に入っています。」 「涼しい! クロスの家に住む隣人がうちに入って『めっちゃ涼しい〜!』って言ってたので間違いないです!(逆に春先は寒く感じるかも…なくらい)」 「ビニールクロスみたいに継ぎ目がなくてきれいです。」 「何年経っても変色とかせず、ずっときれい。タバコで黄色くなる心配もなしです。」 「ホコリがつかないのが、地味に嬉しいですね。」 「汚れたり傷つけたりしても、自分で補修できるのが良いです。紙粘土感覚ですぐ直せるし、ランダムな塗り壁なら素人でも案外目立たなくできます。」 「クロスみたいに角がめくれてきたり、張替えがいらないのも楽でいいです。」 「調湿性とか、防臭効果もある気がします。」 「おしゃれなカフェ風の印象になるところも好きです。色粉を使って壁一面だけブルーにする、なんてこともできますし。」 住んで気づいたデメリット 「やっぱり初期費用は高いです。ただ、長期で見るとクロスみたいに張替えの心配がないので、それで納得しています。」 「ふと素肌で壁を擦っちゃうと痛いです。コンクリと同じ感じなので、角とかは特に。」 「木造だからか、木の伸び縮みで壁に縦にヒビが入ることがあります。まあ、個人的には気にならないぐらいですけど。」 「コーヒーとか、汚れが染みちゃうと落ちづらいですね。(でも、上から塗って補修はできます)」 「あとは、削れやすい点ですね。(補修は可能です)」 実際の暮らしの声からも、漆喰の持つ魅力と、知っておきたい注意点の両面が伝わってきますね。 特性を理解し、うまく付き合われている様子がうかがえます。 京都の気候風土を知る工務店が語る、漆喰の活かし方 私たちは、この京都の地で半世紀以上、地域の気候風土に寄り添いながら、正直な家づくりを続けてまいりました。 特に、盆地特有の、あの夏の蒸し暑さ、そして身に染みる冬の底冷え。 そんな京都の暮らしの中で、漆喰が持つ「呼吸する力」は、昔から大きな助けとなってきました。 漆喰の優れた調湿性能は、夏の湿気を和らげ、冬の過乾燥を防ぎ、一年を通して室内を心地よく保とうとしてくれます。 私たちは、ただ漆喰を塗るというだけでなく、この土地で培ってきた知恵と技で、その力を最大限に引き出す家づくりを大切にしています。   例えば、私たちがご提案する「そらどま仕様」の家づくりもその一つです。 伝統的な漆喰(湿式工法)が持つ優れた調湿性や心地よさに着目し、その効果を、現代の建材、つまり乾式工法でも実現する「呼吸する壁」の技術を取り入れています。 この「そらどま仕様」は壁の遮熱性、調湿性、蓄熱性能を高めます。 そして、仕上げに漆喰を用いることで、構造と仕上げの両面から快適性を追求。 それぞれの長所が組み合わさり相乗効果を生み出すことで、京都の厳しい気候の中でも、より快適で省エネルギーな暮らしを目指しています。   こうした工夫に加え、見えない壁の中の湿気の通り道まで考え抜いた下地づくり。 京都の土や気候を知り尽くしたからこその、漆喰へのひと工夫。 そして、太陽の恵みや風の流れを味方につける設計。 これらはすべて、お客様に本当に快適な暮らしをお届けしたい、という一心で長年積み重ねてきた私たちの財産です。 古くから受け継がれてきた漆喰の知恵。 そこに現代の確かな技術を掛け合わせることで、私たちは、この美しい京都の街並みに溶け込みながら、未来へと住み継いでいける、本当に心地よい「現代の漆喰の家」をお届けしたいと考えています。 まとめ:漆喰の特性を理解し、後悔しない家づくりを ここまで、漆喰の家で後悔しないためのポイントや、漆喰が持つ本質的な魅力についてお伝えしてきました。 「漆喰の家は後悔するかもしれない...」不安はもちろんあるかと思います。 ですが、その特性を正しく理解し、ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせることで、漆喰はかけがえのない価値をもたらしてくれる素材であることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。 漆喰の家で後悔しないためには、素材の特性を理解することに加え、それを活かす確かな技術と経験を持った工務店を選ぶことが何よりも大切です。 漆喰は職人の手仕事で仕上げるため、施工品質が仕上がりや耐久性に大きく影響します。 私たち片山工務店は、50年以上にわたり、京都の住宅・建築に携わってきました。 経験豊富な自社大工、信頼できるスタッフたちと連携し、設計から施工、そして未来の暮らしまで、まっすぐに、正直に、お客様の家づくりと向き合うことをお約束します。 あなたの家づくりが、後悔のない、心から満足できるものになるよう、精一杯お手伝いさせていただきます。

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