
プロフィール
30年以上住み慣れた家に別れを告げ、子育てを終えた節目に新たな暮らしを選んだFさんご夫婦。 岩倉の穏やかな風景に寄り添うように、自然素材と京都らしさにこだわった住まいをカタチにされました。 そんなご夫婦の想いが詰まった家づくりの物語をご紹介します。
暮らしの転機に、居心地のいい家を求めて

片山
早速ですが、「家を建てよう」と思われたきっかけから、お聞かせいただけますか?

Fさん
義父が建ててくれた家にずっと住んでいたのですが、築30年以上経って、そろそろ限界かなと感じていたんです。子どもたちも巣立って、家の中も整理しようというタイミングで、「建て替えようか」と考え始めました。

片山
なるほど。ご家族の節目の時期と重なったんですね。
では、数ある工務店の中から、片山工務店を選んでいただいた理由は何でしょうか?

Fさん
父に「どの工務店に頼んだらいいかな?」と相談すると、「釣り仲間が、片山工務店っていういいところがあるって言っていたぞ」と。それで、まずは親戚の家の修繕をお願いしてみました。
その時にいろいろお話をして、接するうちに「誠実な人だな」と感じました。お願いしたことに対して「それは難しいです」とハッキリ仰ることもあって。それが逆に、正直で信頼できると思ったんですよ。「ああ、この人なら大事な家づくりを任せられるな」って。

片山
そう感じていただけたのは本当にありがたいです。
ちなみに、それまで住んでいらっしゃった家は、どんなお住まいでしたか?

Fさん
義父が、工務店さんと一緒に考えて建ててくれた家でした。当時は新築で嬉しかったですし、家族で暮らすには広さも十分でした。
でも段々、キッチンの高さやLDKの使い勝手、換気の悪さが気になるようになってきて…。
特に2階が、夏はものすごく暑くて、冬は凍えるほど寒い。エアコンをつけても効かない。若い頃はなんとか過ごせていましたが、年齢を重ねるにつれて厳しくなってきました。

片山
日々の暮らしの中での「ちょっとしたストレス」が積み重なっていたんですね。
では、新しい家づくりで叶えたかったのは、どんな暮らしでしたか?

Fさん
まずは、安らげること。ホッとできて、外の景色を楽しめるような、居心地のいい家にしたかったです。
以前の家には、毎年ムカデが出ていて…。それが本当に怖くて。そういう小さな不安が少ない家にしたいなと考えました。

片山
暮らしの中で安心できることが、何よりの快適さだと思います。
「自然素材の家」や「京都らしい住まい」に興味を持った理由は何でしょうか?

Fさん
せっかく家を建てるなら「自然素材を使った家がいいな」と思っていました。コンクリート打ち放しのスタイリッシュな家もあると友人から聞いたのですが、私はあまり魅力を感じませんでした。やはり日本の家は、木を使った温かみのある家がいいなと。ホルムアルデヒドなど、化学物質がなるべく入っていないものを選びたいというのは最初からありました。
あと、岩倉のこの土地が好きで、「京都らしい、のどかな雰囲気に合った家にしたい」という気持ちもありました。

丁寧に重ねた対話で、理想のカタチに

片山
お打ち合わせを進めていく中で、印象に残っているエピソードはありますか?

Fさん
はい。私の希望する内容が、コスト的に少し難しいかなという場面があって…。
どうやって夫に説得しようかと悩んでいた時に、片山さんに「説明してもらえませんか?」とお願いしたんです。すると、「ご主人に“説明”というより、“納得”してもらいましょう」と仰っていただき、その言葉にすごく救われました。
夫も交えた打ち合わせで、片山さんは、穏やかに、丁寧に話をしてくださって。その様子を見て、「このまま進めていけば大丈夫だ」と安心したのを覚えています。

片山
ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。
では次に、「ここは絶対にこだわりたかった!」というポイントがあれば、教えてください。

Fさん
玄関まわりですね。やはり、お客様をお迎えする場所なので、気持ちよく話ができる、広くてスッキリした空間にしたいなと思っていました。それを叶えていただけて、本当に大満足です。

片山
玄関は「家の顔」ですもんね。
施工中は、職人と直接お話をされる機会もあったかと思いますが、印象はいかがでしたか?

Fさん
お茶を差し入れる時などに軽く挨拶を交わす程度でしたが、皆さん無駄なおしゃべりをせず、淡々とご自分の持ち場に戻っていかれるんです。それが逆に、「プロだな」と感じました。

片山
ありがとうございます。
では、家づくりの過程で「一番ワクワクした瞬間」は、どんな時でしたか?

Fさん
何度も設計図を持ってきてくださって、そのたびに「こういう形もありますよ」と提案してくださったことです。私が好き勝手にいろいろ言っても、片山さんが「では、こんなパターンもどうですか?」って。そういうやり取りを通して、自分の想像力も刺激されて、毎回とても楽しかったです。

自然とともに暮らす心地よさ

片山
お引き渡しからしばらく経ちましたが、実際に住んでみて、自然素材の使い心地はいかがですか?

Fさん
無垢のフローリングや匂いのない壁紙のおかげで、とても気持ちがいいですね。木製の雨戸も軽くて開け閉めがしやすいですし、西日対策にも効果があると実感しています。
匂いなどから頭痛になりがちだった叔母が、「この家では頭が痛くならない。空気が気持ちいい」と言ってくれて。読書にも集中できると、すごく喜んでくれました。

片山
それは嬉しいですね。温熱環境についてはどうでしょう?

Fさん
夏でも外から帰ってくると、家の中がスッと涼しいんです。汗もすぐ引くくらい快適で。冬場も、夜中にトイレに起きても寒さを感じず、体がスーッと動いてくれます。温度差のストレスがないだけで、暮らしが本当に楽になりました。

片山
気温の変化が大きい京都では、断熱や調湿の工夫がとても大事なんですよね。
光や風の入り方については、どう感じていらっしゃいますか?

Fさん
カーテンをブラインドに変えたことで、光の調節がしやすくなりました。風については…正直、あまり窓を開けていないんですよ。それでも室内がこもる感じが全然なくて、快適なんです。

片山
気密性と通気性のバランスがうまくいっている証拠ですね。
では、家の中で「ここが一番お気に入り!」という場所はどこですか?

Fさん
リビングダイニングの大きな窓ですね。まるで額縁のように外の景色が切り取られて、季節の移ろいを楽しめます。玄関まわりもお気に入りです。ポストや腰かけ、下駄箱もスッキリしていて使いやすく、細かいところまで丁寧に考えてくださって、本当に感謝しています。
アプローチの植栽コーナーや、テラスの鉢植えもとても気に入っていて、夫がいつも手入れを楽しんでいます。

片山
家づくりを通じて、家の中での過ごし方に、何か変化はありましたか?

Fさん
ありました。たとえば、疲れている時にソファに横になると、そのままスッと眠れてしまうんです。以前は、布団から出入りする時に寒さがストレスになっていましたが、今はそれもなくなって。本当にありがたいです。

「育つ」家に、愛着が深まっていく

片山
新しい住まいでの暮らしが始まってから、「家にいる時間が増えた」「家で過ごす時間が楽しくなった」といった変化はありましたか?

Fさん
家で過ごす時間が増えました。コロナ禍でずっと家にいても、まったくストレスを感じることがありませんでした。

片山
それは嬉しい変化ですね。
ご家族やご友人が遊びに来られた時の反応はいかがですか?

Fさん
「空気がいいね」「床板の肌触りが気持ちいいね」とよく言ってもらえるので、嬉しいです。

片山
住み続ける中で、「自然素材の家」ならではの経年変化を感じることはありますか?

Fさん
床板に少しずつツヤが出てきて、「育っている」のを感じています。木製の玄関ドアも、内側と外側で表情が違ってきて、それもまた味わいですね。
こうして少しずつ変化していく姿を見ると、「家って本当に生きているんだな」と感じることがあります。たとえば、ごくたまに「ビシッ」と音がすることがあって、「あ、家が呼吸しているな」と。ふとした瞬間に、家に対して愛着が湧いているのを実感します。

片山
「この暮らしが実現できて本当によかった」と感じる瞬間があれば、教えていただけますか?

Fさん
やはり、家事動線がスムーズになったことですね。以前は、動くたびに小さなストレスを感じていたのですが、それがすっかりなくなりました。何をするにも自然に動けて、本当に心地いいです。

暮らしのそばにいてくれる安心感

片山
お住まいになってから、片山工務店にご相談いただいたことはありますか?

Fさん
はい、サッシの鍵が動きにくくなったことがあって…。連絡すると、すぐに対応してくださいました。こういうちょっとしたことでもすぐに来てくださるのが、本当にありがたいです。

片山
私たちは「建てて終わり」ではなく、「暮らしが始まってからが本番」だと思っていますので。

Fさん
その姿勢がすごく伝わってきています。毎年お正月にご挨拶に来てくださったり、コロナ禍の時には、消毒液を持って来てくださったこともありました。最近では防災グッズの簡易トイレまでいただいて…あれには、ときめきました(笑)そういう細やかな気遣いが、とても嬉しいです。

片山
ありがとうございます!
メンテナンスについて、ご自宅で何か気をつけていることはありますか?

Fさん
夫が窓ふきを担当してくれていて、私は浴室を毎日拭いています。せっかく丁寧につくっていただいた家なので、きれいに保ちたいなと思っています。

「いい家」は、いい人との出会いから始まる

片山
これから家づくりを考えている方に向けて、アドバイスがあればぜひ教えてください。

Fさん
まずは、いろんなお宅を見せてもらうことが大切だと思います。実際に暮らしている方のお話を聞けると、「こういうところが便利なんだ」とか、「これは意外と使わないんだな」という、リアルな気づきが得られます。私もポストの位置や物干しの高さなどは、見学先のお家を参考にしました。
あとは、日頃から雑誌などで気になるアイデアやモノを収集しておくと、後々すごく役に立ちますよ。

片山
家づくりのヒントは、日常の中にたくさんありますよね。
では、「家づくりで一番大事にした方がいい」と思うポイントは何でしょう?

Fさん
暑さ寒さへの対策ですね。快適さは暮らしを左右するものなので、温熱環境と換気をきっちりやってくれるところにお願いするのが、一番だと思います。

片山
長く住む家だからこそ、目に見えにくい部分がとても重要ですよね。
最後に、片山工務店の家づくりで「ここが特に気に入っている」「ほかと違うと感じた」という点があれば教えてください。

Fさん
一番は、やはり「人」です。設計や建築の話だけではなくて、いろんなお話をする中で「この人にお願いしたい」と思えたことが大きかったです。
ご家族皆さんで助け合いながら取り組まれている姿も素晴らしくて、会長(お母様)も本当に温かくて…。「人の役に立ちたい」という思いが、家づくりの姿勢からもすごく伝わってきました。

片山
ありがとうございます!そう言っていただけることが、私たちにとって一番の励みになります。
